EXPERIMENT No.09 / RESEARCH MODE

自己責任って、
どこまで自己責任?

本人の選択・外部環境・両者の相互作用を分けます。さらに、第三者が「事情を知らない状態」と「事情を知った状態」でどれだけ評価を変えるかを、仮説モデルとして観察します。

OPERATIONAL DEFINITION

「責任」を数字にする前に

選択
努力・学習・貯蓄・方向転換・リスク対策。モデル上、本人が操作できる側。
外部条件
家庭支援・初期資産・健康・適性・機会・家庭負担・景気・偶然。本人が選べない側。
相互作用
選択の効果が、環境によって強くなったり弱くなったりする部分。

最重要:分散分解で出る「選択○%」は、道徳的責任・法的責任・現実社会での因果割合ではありません。ゲームに入れた変数と、その幅の中での「結果差の由来」です。

EVIDENCE TYPE

「支持」の意味を3種類に分ける

設計挙動
式やルールに方向を直接入れているもの。支持されても「新発見」ではなく、主に内部整合性の確認です。
創発比較
複数の仕組みを組み合わせた結果として出る比較。モデル内では一番「実験」に近い部分です。
外部データ・定義
公的統計・研究・国際定義など外部ソースに基づく部分。モデル結果とは分けて扱います。

重要:「モデル内で支持」は、現実世界で証明されたという意味ではありません。特に「設計挙動」は、想定した式が想定どおり働いたかを見るチェックです。

PRE-REGISTERED HYPOTHESES

先に判定ルールを決める

H1創発比較
純資産差の10%以上が外部環境・運に由来する。
H2創発比較
純資産差の3%以上が本人の選択に由来する。
H3創発比較
純資産差の3%以上が選択×環境の相互作用に由来する。
H4設計挙動
失敗者の背景情報を開示すると、「本人のせい」点が平均5点以上下がる。
H5設計挙動
事情非公開では、努力重視・公正世界BOTの自己責任判定が文脈重視BOTより高い。
H6設計挙動
成功者の有利な初期条件を開示すると、「本人の手柄」点が平均5点以上下がる。

閾値は実験上の判定規則であり、心理学・経済学の標準値ではありません。

RUN

固定Seedで検証

EVIDENCE LEDGER

モデルの着想と、現実の研究を分ける

状況の過小評価
fundamental attribution error は、行動を説明するとき状況より個人特性を重く見すぎる傾向として定義されています。
APA Dictionary
公正世界信念
「世界は公平であるはず」という信念が脅かされると、被害者非難で整合性を回復する可能性を示す実験があります。
van den Bos & Maas, 2009
メリトクラシー信念
2025年の米国調査実験では、経済的報酬を受けた経験が「成功は運より努力に依存する」という信念を強める結果が報告されています。
Fehr & Vollmann, 2025
単純な心理法則にしない
actor–observer asymmetry は173研究のメタ分析で平均的な一般効果がほぼ確認されず、条件依存でした。よって「人は必ず他人を自己責任扱いする」とは置きません。
Malle, 2006
MODEL BOUNDARY

この実験でまだ言えないこと

現実の日本で「人生結果の何%が本人の責任か」を推定していません。教育制度、階層、差別、障害、地域、家族関係、職種、政策などを十分に再現しておらず、変数の幅も実験用です。第三者評価BOTは心理学研究そのものではなく、情報を隠す/開示することで判断がどう動きうるかを見る仮説モデルです。

FINAL QUESTION

「原因」と「責任」は同じなのか?

本人の選択が結果に影響したとして、それだけで結果全体を本人に帰属してよいのか?

逆に、環境や運が大きいとしても、本人の選択が無意味になるのか?
EASY MODE / FOR EVERYONE

🧒 小学生でもわかる解説

何をくらべてるの?
同じ世界で本人の選び方だけ変える実験と、同じ本人で世界だけ変える実験をします。
超かんたんに言うと:
結果が悪かったとき、「全部その人のせい」とも「全部環境のせい」とも、1回の結果だけでは言えません。本人の選択と、選べなかった条件を分けて比べる必要があります。

ここだけ注意: 現実の人生で責任が何%かを計算する模型ではありません。因果を混ぜない練習です。

難しい数字や研究用語が分からなくても、まずここだけ読めば「この実験で何を見ているか」が分かるようにしています。

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